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カシオ EXILIM PRO EX-F1 レビュー1920×1080のフルハイビジョンムービーが撮影可能EX-F1ではハイビジョン撮影が可能な動画モード、[HD] モードも搭載する。
HDモードには2種類の画像サイズがあり、1280×720ピクセルとフルハイビジョンとなる1920×1080ピクセルがある。
先のハイスピード撮影と同様、撮影そのものは非常に簡単で、画質設定で画角の設定を行い、本体背面のムービーボタンを押すだけだ。
ただビデオ撮影として捉えた場合、デジタルカメラの形を取っているEX-F1のボディでは、操作性の面で厳しい部分が多い。片手で構えることができる一般的なビデオカメラとは異なり、EX-F1は常に両手で構えなければならず、液晶モニターの向きも固定であるため、ローアングルやハイアングルでは被写体が確認しづらい。 超高速撮影やハイスピード撮影は、1秒もしくは数秒を捉える目的のためなので苦しい姿勢も一瞬で終わるが、数分にわたるハイビジョンビデオ撮影では不安定になりやすい。ハイビジョンビデオ撮影を優先するなら、専用機に軍配があがる。 撮影した動画はMOV形式で記録されるが、QuickTimeプレーヤー(ver.7.4.5)では再生できなかったので、パソコン上で再生するには付属する動画再生・編集ソフト「TotalMedia Extreme」を利用することになる。ただしこれはWindows版のみなので、現状 EX-F1 でフルハイビジョン撮影した動画をMac上で再生することはできない。
EXILIMシリーズお馴染みのベストショット、YouTubeモードを搭載液晶モニターの右には、画像サイズやストロボなどの設定が行える操作パネルが表示される。操作パネルでは、撮影中に設定を変えることがよくある項目が並んでおり、変更のたびに設定メニューを呼び出すことなく、即座に確認や変更ができる。
中でもユニークなのが [YouTube] モードで、あらかじめYouTubeにアップロードしやすいファイル形式で撮影できる。詳しい内容に関しては、EX-Z1080 のレビューを参照して欲しい。
また連写モードの [ムーブアウト連写] [ムーブイン連写] では、画面内のフレームから外に出る動き、またはフレームに入る動きがあった瞬間に自動連写する。これはあらかじめ設定した時間分の画像を繰り返し一時的に保持して、フレームに動きがあった瞬間を検出して記録するというもので、動物や昆虫などを撮影する際のシャッターチャンスを捕らえやすくなる。
他にも絞り優先、シャッター速度優先、マニュアル撮影、オートフォーカスエリアの移動、白飛びや黒つぶれを軽減するダイナミックレンジなどマニアックな撮影機能も備えている。
撮影サンプル
ムービーの可変再生、簡易編集が可能な再生モード
その付属ソフト「TotalMedia Extreme for CASIO」は、EX-F1で記録されたハイビジョン画質の動画を、ハイビジョン画質のままDVDに記録可能なAVCHDディスクを作成することができる。このAVCHDディスクを作る段階では、不要シーンのカットやチャプター設定が可能で、メニュー画面付きのAVCHDディスクを作成できる。ただし対応はWindowsのみだ。
AVCHDディスクはゲーム機Playstation3や、対応するBlu-rayレコーダーなどで再生可能だ。 フル充電で約520枚の撮影が可能な、大型バッテリーが付属
総論:他社にはない先進機能への価値観を、どう捉えるかがカギ 今回、レビューのために約10日間ほどEX-F1をお借りしたが、目玉機能となる超高速撮影やハイスピード撮影は、非常に魅力的で面白かった。デジタルカメラは多機能になり便利にはなったが、機能そのもので面白いと感じたのは久しぶりではないだろうか。10日間で撮影のコツを掴みかけた段階で、もっとこんな被写体を撮ってみたいと、少々後ろ髪を引かれるような思いで返却をした。
おそらくEX-F1を手にしたユーザーは、まず今までにテレビ番組で見たことがあるような映像世界を、自分で再現したくなるだろう。その意味では「EX-F1に撮らされる」時期もあるかもしれない。そして場合によっては「一通り撮りたい物を撮ったら飽きるんじゃないか」との懸念もあるだろう。 確かにそれはあり得るが、これまで超高速撮影やハイスピード撮影は一部のハイエンドな機材でしか利用できなかった技術だ。EX-F1の登場によって、幅広いユーザーが手にすることで発想が広がり、今まで誰も見たこともない映像世界の表現に繋がる可能性も秘めている。 ただEX-F1を使って、例えば動物や昆虫などの驚異的な一瞬を捕らえるには、セッティングの工夫や時間、ある程度の慣れが必要で試行錯誤も必要だ。サッと撮って面白い写真も撮れるが、ジックリと腰を据えて付き合った方が、EX-F1の魅力を引き出すことができるだろう。 また、EX-F1がデジタルカメラのスタイルを取っているのには、重視する機能によって評価が分かれる。静止画中心の超高速連写重視なら大きな問題はないが、ハイビジョン撮影重視なら、デジタルビデオカメラとは操作性の面で勝手が異なり不便に感じられる部分もあるので、利用シーンの見極めは必要だ。 EX-F1は店頭で約10万円程度の価格が付いている。価格的には手頃なデジタル一眼を、ダブルズームレンズをセットでおつりがくるレベルで、そう簡単に手を出せるカメラではない。しかし EX-F1の魅力を、単純に価格だけで比較できないのも事実で、非常に悩ましいところだ。 最終的にはユーザー側の価値観をどこに置くかによるのだが、EX-F1が提供する価値観は全く新しいものであることには間違いない。 (H-lab:山地啓之)
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