パナソニック DMC-LX7 レビュー

F1.4の明るいレンズを搭載、美しい背景ボケが楽しめる
ハイエンドコンパクトデジカメ“パナソニック DMC-LX7”

LUMIX DMC-LX7 パナソニック [ http://panasonic.jp/ ]
 LUMIX DMC-LX7
 価格:オープンプライス
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 発売日:2012年8月23日

使いやすさはそのままに、細部がブラッシュアップされたボディデザイン

DMC-LX7(以下、LX7)はブラックとホワイトの2色がラインナップされており、今回はホワイトをお借りすることができた。近頃はコンパクトデジタルカメラだけでなく、人気のミラーレス一眼でもカラーラインナップが充実しており、ハイエンドデジカメでもカラーバリエーションを増やすことで、女性など新しいユーザー層への訴求が図られている。このホワイトモデルもカジュアルな印象で、女性にも受け入れられそうだ。
LX7のデザインは過去のシリーズをほぼ踏襲しており、グリップに若干の形状変更は見られるものの、見た目に大きな変更はない。これは、従来の操作性に慣れた根強いファンの存在を意識してのことだろう。

ボディの重量はメモリーカード、バッテリー込みで約298g。サイズは幅110.5mm、高さ67.1mm、奥行き45.6mmで、スリムで軽量なコンパクトデジタルカメラに比べると、重量があり大きいが、アナログカメラのようなボディデザインは安定感がある。電源オフ状態でもレンズ鏡胴部は本体に収納されないため、胸や腰ポケットに入れるのは厳しい。できれば専用のケースやポーチに入れて持ち歩く方がよいだろう。かといって「今日は写真を撮ろう!」と意気込むほどではなく、普段のスナップ撮影用にに持ち歩ける程度のサイズに収まっている。
イメージセンサーは新開発の有効1010万画素、1/1.7型高感度MOSセンサーを搭載。最大記録サイズはアスペクト比4:3で3648x2736ピクセル、3:2で3776x2520ピクセル、16:9で3968x2232ピクセル、1:1で2736x2736ピクセルの撮影が可能だ。レンズは光学式手ブレ補正機構内蔵(POWER O.I.S.)の10群11枚、ライカ DC VARIO-SUMMILUXレンズを搭載する。
電源オフ時 電源オン時(広角端)

パッケージには過去のシリーズと同様に、レンズキャップが付属する。電源オン時にキャップをしたままだと、本体の液晶モニターに、キャップを外すよう促すアラートが表示される。一般的な内蔵レンズカバー式のデジカメに使い慣れていると、レンズの脱着を面倒に感じるかもしれない。試用中も撮影の度に、キャップを外してポケットに入れる動作に手間がかかることがあったので、紛失を防ぐ意味でも、キャップのストラップ穴に本体と紐付けすることをお勧めする。他社ではレンズの伸縮に応じて開閉するレンズカバーが用意されているものもあり、オプションでも良いのでLX7でもラインナップして欲しいところだ。
上部には電源ボタン、モードダイヤル、シャッターボタン、ズームレバー、動画ボタンがある。動画ボタンはモードダイヤルの状態に関わらず、即座に動画撮影がスタートできる。また、ホットシュー前部には、風音低減機能を備えたステレオマイクも搭載する。

内蔵ストロボは、背面のボタン操作によりポップアップする。ストロボはケラレ防止のためやや高めに位置し、収納は手動で行う。

従来同様、レンズ鏡胴部にはアスペクト比を変更できるスライドスイッチと、フォーカスモードを変更するスイッチがある。アスペクト比はスライドスイッチで行い、利用できるアスペクト比は「1:1」「4:3」「3:2」「16:9」の4種類。プリント用や薄型テレビの横長向けに撮影するなど、目的に応じたアスペクト比を素早く切り替えることができる。画像サイズ、圧縮率はメニュー画面から行う。


背面には3.0型液晶モニターと各種操作キー、後ダイヤルなどが並んでいる。 液晶モニターの解像度は92.0万ドットで高精細。周囲を判断して自動的に明るさを調整する「オートパワーLCDモード」、晴天時の屋外などモニターが見えづらくなる状況で、明るさをアップして視認性を向上させる「パワーLCDモード」を備える。
本体側面にはハイビジョン出力が可能なHDMI端子と、付属のAVケーブルとUSBケーブルが接続可能なAVアウト/デジタル端子がある。

後ダイヤルは回転と押し込みにより、露出やメニューの変更・設定が可能だ。従来とはダイヤル周辺の形状が少し変更され、グリップ感がアップしたことで操作しやすくなっている。また、LX7では新たに「ND/FOCUSレバー」が追加された。これは新機能でもある「内蔵NDフィルター」のオン/オフができるほか、レバー操作によりマニュアルフォーカス時の焦点距離の変更や、AF時のピント調整も可能だ。

新たに水準器も搭載された。画面上では「あおり」と「水平傾き」の2種類の水準器を表示することで画面の傾きを防ぐことができる。静止画の場合は誤って画面が傾いてもトリミングで何とかできるが、動画撮影で画面が傾いてしまうと後から修正できず、見辛い映像になってしまう。また、ホットシューに取り付け可能な水準器もサードパーティーから発売されているが、外付けファインダーやストロボなど他のアクセサリーが利用できなくなるので、水準器の内蔵は有難い。
バッテリーとメモリーカードは本体の底面から挿入し、最大容量2GBまでのSDメモリーカード、4〜32GBのSDHCメモリーカード、48GB、64GBのSDXCメモリーカードに対応する。本体には、約70MBの内蔵メモリーを搭載する。
バッテリーチャージャーDMW-BTC5が付属し、約155分でバッテリーをフル充電できる。
フル充電の状態で静止画約330枚(※)、AVCHD動画PSHモードで約90分、MP4で約60分の撮影が可能だ。

※CIPA規格:カメラ映像機器工業会(Camera & Imaging Products Association)が定める電池寿命測定方法についての統一規格

やわらかいボケ味が味わえる、大口径F1.4の明るいレンズ

LX7の最大の特長は、コンパクトデジタルカメラとしては類を見ない、大口径のF1.4 LEICA DC VARIO-SUMMILUXレンズの明るいレンズを採用していることだ。
明るいレンズのメリットとしては、ボケの効果が得られることと、室内など暗いシーンでも手ぶれしづらいところだ。
一般的にレンズは歪曲を防ぎ、自然な描写ができるよう複数のレンズで構成されているが、枚数が増え構成が複雑になると撮像素子まで光が届きにくく、暗い状況では手ぶれしやすく描写にも影響を与えてしまう。LX7では大口径レンズを採用することにより、広角端でF1.4を実現している。さらにEDレンズ、非球面レンズの採用により色収差を抑え、画像周辺部まで高い解像度を実現している。
LX7は明るいレンズのメリットを活かし、一般的なコンパクトデジタルカメラやスマートフォン内蔵デジカメでは得られない、背景がぼけにより被写体を印象深く浮き上がらせる写真を撮ることができる。
また、LX7は広角24mmから90mm(35mm換算)の光学3.8倍ズームを搭載する。さらに、画像の切り抜きによりズーム効果が得られる「EX光学ズーム」で約6.7倍、画質への影響が少ない「超解像技術」による「超解像iAズー ム」により約7.5倍までのズームに対応している。ズーム操作時には光学ズーム域から、各ズーム域に切り替わるポイントがバーで表示されるため、光学域を優先したい場合に判断しやすい。

光学1倍(24mm相当)


光学3.8倍ズーム(90mm相当)


EXズーム 6.7倍(160mm相当)

iAズーム 7.5倍(180mm相当)
さらにズーム操作では、一般的な単焦点レンズの焦点距離の画角で一旦停止する「ステップズーム」が利用できる。この機能をオンにしておくと、光学ズーム操作時は24mm、28mm、35mm、50mm、70mm、90mm、光学ズーム以外では135mm、200mm、300mm、400mm、500mm、600mmの焦点距離で動作が一旦停止し、レンズ交換を行ったような操作感覚が得られる。
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